20デニールはタイツか?透け感と美脚の秘密・着用マナーと気温を検証
店頭で「シアータイツ」と書かれていたり「黒ストッキング」の棚に並んでいたりと、売り場によって扱いが分かれる20デニール。消費者を悩ませるこの境界線には、繊維業界の明確な測定基準が関係しています。
そもそもデニール(denier)とは、糸の太さ(重さ)を表す国際単位です。「9,000メートルの長さで重さが何グラムあるか」を示しており、9,000メートルの糸が20グラムであれば20デニールとなります。数値が小さくなるほど糸は細く、織り上がった生地は薄く透明感が増します。
日本靴下協会の基準および大手レッグウェアメーカーの製造指針では、一般に以下のように線引きされています。
- ストッキング:主に30デニール未満(一般的には10〜25デニール前後)で、編み組織が薄く透明度の高いもの。
- タイツ:原則として30デニール以上。防寒やカバー力を目的として厚手に編まれたもの。
この規格に照らし合わせると、20デニールは数値上「ストッキング」の領域に分類されます。しかし、メーカー各社が「20デニール黒タイツ」という商品名を採用するケースが後を絶ちません。その理由は、編み機の仕様やサポート糸(ポリウレタン弾性糸)の設計にあります。一般的なパンティストッキングよりも伸縮性に富む太めのポリウレタン芯糸にナイロンを巻き付けた加工糸を使用し、タイツ特有のしなやかなフィット感と丈夫さを持たせているためです。つまり、「見た目の透け感はストッキングでありながら、着用感と機能性は極薄のタイツ」というのが現場での正確な定義です。