便利になればなるほど地方が痩せる?ストロー現象の真相と打開策
便利になればなるほど地方が痩せる?ストロー現象の真相と打開策の具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でご紹介しています。
こうした構造変化は、現在進められている超大型インフラ整備でも大きな議論を呼んでいる。その筆頭格が、JR東海が推進するリニア中央新幹線計画だ。首都圏と中京圏、近畿圏を超高速で結ぶ大動脈の誕生は、日本全体の生産性を引き上げると期待される一方で、途中の通過点となる地域や中間駅が設置される自治体からは「支店機能や人的リソースがさらに東京や名古屋へ吸い上げられるのではないか」という不安の声が根強く存在する。
また、着々と整備が進む北陸新幹線延伸事業の沿線エリアでも同様の現象が観察されている。金沢延伸時には空前の観光ブームに沸いたものの、福井やその先のエリアへと線路が伸びるにつれ、客の滞留時間が分散し、関西圏や都心部への日帰り傾向が強まるなど、地域間でのパイの奪い合いが激しさを増している。
こうした状況について、日本経済新聞をはじめとする主要メディアは「交通開通がもたらす二極化の現実」として連日のように論じる。さらに、かつてNHKスペシャルなどの報道番組でも過疎化とインフラ整備の相関関係が深掘りされ、フィーバーの陰で進む地元経済の地盤沈下がリアルに描き出された。巨大インフラの整備は、単に利便性をもたらすだけでなく、地域の存続をかけた厳しい淘汰の始まりを告げるものでもあるのだ。