常磐道あおり運転「ガラケー女」の正体と現在|デマ冤罪の全真相
宮崎元被告らが逮捕される直前の数日間、インターネット空間では目を覆いたくなるような深刻な冤罪事件が進行していました。容疑者が指名手配された直後、5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)やX(旧Twitter)上で「犯人の同乗者は誰だ」という匿名の捜査ごっこ、いわゆる「ネット特定班」が暴走を始めたのです。
その標的となってしまったのが、都内で会社を経営する無関係の女性でした。加害者たちが乗っていた代車の返却時に同乗していた女性の服装やサングラスの形状が似ている、宮崎元被告のSNSアカウントをフォローしていたといった極めて脆弱な「こじつけ」をもとに、「ガラケー女の正体はこの女性だ」「実名と会社名が判明」とする誤った情報が一気に拡散されました。
「殺されるかもしれない」被害女性の手記と記者会見の告白
女性のもとには、昼夜を問わず1日数百件を超える非通知の嫌がらせ電話が殺到し、SNSのダイレクトメッセージには「殺人鬼」「死ね」「絶対に許さない」といった凄惨な誹謗中傷が溢れ返りました。被害女性がのちに開いた記者会見や特番インタビューで語った「朝起きたら突然、自分が日本中から指名手配された凶悪犯にされていた。恐怖で自宅から一歩も出られず、ドアのチャイムが鳴るたびに震えていた」という告白は、ネットリンチの冷酷さを世に見せつけました。
女性は即座に自身のSNSで「全くの事実無根であり、警察にも相談している」と無実を訴えましたが、興奮状態にあったネットユーザーは「嘘をついて逃げようとしている」「言い逃れをするな」と攻撃を激化させました。誤った正義感を振りかざす「デジタル自警団」が、何の落ち度もない市民の生活を一瞬で破壊したのです。