加賀まりこの昔が規格外に美しすぎる!小悪魔伝説と波乱の現在地
加賀まりこの人生を語る上で欠かせないのが、数々の浮名を流した華麗な恋愛遍歴と、その根底にあった潔い倫理観です。当時の芸能マスコミは彼女の奔放な恋をセンセーショナルに書き立てましたが、彼女の選択には常に「相手に依存せず、自らの責任で引き受ける」という一貫した哲学がありました。
石坂浩二との大恋愛と同棲、そして「終生の友情」へ
20代半ば、加賀まりこは劇団四季の舞台共演などを通じて俳優の石坂浩二と出会い、同棲生活を送るほどの大恋愛に発展します。知的で物静かな石坂と、直感的で情熱的な加賀。一見対照的な2人でしたが、深い知性と感性で結ばれていました。
その後、関係にピリオドを打ったものの、2人の間に憎しみや泥沼の愛憎劇は一切残りませんでした。2017年の倉本聰脚本ドラマ『やすらぎの郷』では、石坂浩二と加賀まりこ、そして石坂の元妻である浅丘ルリ子が共演し、大きな話題を呼びました。かつての恋人たちが老境に入り、互いを最高の戦友・役者仲間としてリスペクトし合う姿は、愛の執着を手放した人間だけが到達できる極めて成熟した関係性を示しています。
28歳での未婚出産と悲痛な死別|父親を明かさなかった「個の確立」
加賀まりこの人生で最も過酷な試練となったのが、1972年、28歳のときの未婚出産でした。当時、女性が独力で子どもを産み育てる「シングルマザー」に対する社会の視線は現在以上に冷酷であり、大スキャンダルとして報道陣が彼女を取り囲みました。
しかし、加賀は会見で「認知は求めない」「相手の名前は一切明かさない」と毅然とした態度を崩しませんでした。「自分が好きで産むのだから、誰かに責任を押し付ける筋合いはない」という覚悟の表明でした。産まれた女児は先天的な要因により、わずか生後7時間で息を引き取るという悲劇に見舞われますが、加賀はこの深い喪失感を抱えながらも、一切の泣き言を世間に漏らさず、女優としての仕事へ復帰していきました。自著や後年の特番インタビューでも「あの悲しみがあったからこそ、人の痛みがわかるようになった」と静かに語っています。