エコーで赤ちゃんの鼻の骨が見えない?ダウン症の確率と見落としの真相
気になるのは「鼻骨が見えない、あるいは小さいと指摘された場合、実際にダウン症である確率はどの程度なのか」という数値データです。周産期超音波学会や国内外の大規模臨床試験の集計によると、妊娠12週前後の初期エコーで鼻骨欠損が認められた場合のダウン症の頻度は、母集団の背景リスクによって大きく変動します。
医学統計によると、21トリソミーの胎児において妊娠11週〜13週6日の超音波検査で鼻骨が欠損または低形成である割合は約60〜70%に達します。つまり、ダウン症児の過半数に鼻骨の異常所見が見られるのは事実です。しかし、逆の視点である「鼻骨欠損が見られた胎児のうち、何%がダウン症なのか(陽性的中率)」を考える際には、慎重な計算が求められます。
染色体が正常な健康な胎児であっても、妊娠11〜13週の初期検査において鼻骨が見えない・判別困難となる割合は、白人胎児で約1〜3%、日本人を含む東アジア人胎児では約5〜8%前後観察されます。母体年齢が30歳の場合、21トリソミーの事前リスクは約1/1000ですが、仮に鼻骨欠損単独の所見があったとしても、他の超音波マーカーや血液検査結果が伴わなければ、その胎児がダウン症である絶対確率は数%未満にとどまるケースがほとんどです。
出生前検査ごとの検査精度、費用、実施時期の違いを整理したのが下表です。