耳・鼻・喉の違和感はなぜ続く?内科と耳鼻咽喉科の受診基準と最新治療
「蓄膿症(ちくのうしょう)」という通称で知られる疾患は、医学的には「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」と同一の病態を指します。顔面の骨の中にある空洞(副鼻腔)に細菌やウイルス感染、アレルギー反応によって炎症が起き、膿のような粘稠な鼻汁が溜まる病気です。
副鼻腔炎の自己チェックポイントとしては、以下のような兆候が挙げられます:
- 黄色や黄緑色の粘り気のある鼻水が出る
- 眉間、頬の奥、眼の奥に重い痛みや圧迫感がある
- 頭を前屈させると顔面の痛みが悪化する
- 鼻が詰まって匂いを感じにくくなる(嗅覚障害)
- 鼻水が喉に落ちて不快な味がする
これらが発症から4週間未満であれば「急性副鼻腔炎」、3ヶ月以上持続すれば「慢性副鼻腔炎」と分類されます。近年では、気管支喘息を合併しやすい難治性の「好酸球性副鼻腔炎」が指定難病となっており、早期のCT診断や内視鏡下副鼻腔手術(ESS)の適応判断が重視されています。
一方、鼻粘膜のアレルギー反応全般に対するアレルギー性鼻炎の最新治療法も目覚ましい進歩を遂げています。従来の第2世代抗ヒスタミン薬や点鼻ステロイドに加え、スギ花粉やダニ抗原に対して体を慣らしていく舌下免疫療法(SLIT)が定着し、アレルギー体質そのものの根本的改善(寛解)を目指す患者が急増しています。さらに、重症の難治性アレルギーに対しては分子標的薬(抗IgE抗体薬・抗IL-4/13受容体抗体薬)の投与が行われるなど、治療の個別化が急速に進んでいます。
また、小児に多い急性中耳炎と難聴の初期症状についても注意が必要です。鼻腔の炎症が耳管を経由して中耳へ波及することで生じますが、乳幼児は痛みを言葉で訴えられず「機嫌が悪く耳を触る」「呼びかけに対する反応が鈍い」といった仕草で現れます。大人の場合でも、放置すると滲出性中耳炎へ移行し、恒久的な難聴リスクに繋がるため、鼻症状と耳の違和感が併発した段階での介入が欠かせません。