耳掃除で咳が出るのはなぜ?突然むせる「驚きのメカニズム」と対処法を解説
耳掃除で咳が出るのはなぜ?突然むせる「驚きのメカニズム」と対処法を解説とは一体何なのか? 主要なファクトを丁寧に紐解いて紹介します。
耳の中を綿棒や耳かきで触れた際に咳き込んでしまう現象には、医学的な名称が存在します。それが「耳咳反射(じせきはんしゃ)」、または発見者の名を取って「アーノルド神経反射」と呼ばれる生理的反応です。
人間の脳からは12対の脳神経が出ており、その第10脳神経にあたるのが迷走神経です。迷走神経は本来、咽頭(喉)や喉頭、気管、心臓、胃腸といった内臓の働きをコントロールする自律神経ですが、その枝分かれの一部である迷走神経耳介枝が外耳道(耳の穴の通り道)の後下壁付近にまで伸びています。
綿棒などでこの部位を刺激すると、神経を通じて脳の延髄にある咳中枢へ「喉に異物が入った」と誤ったシグナルが送られます。その結果、気道を守ろうとする生体防御反応が作動し、迷走神経刺激による咳が反射的に誘発される仕組みです。調査研究によると、このアーノルド神経反射を明確に自覚する人は全体の数%から2割程度存在するとされ、決して珍しい異常ではありません。