エヴァ第一の使徒の正体とは?渚カヲルが第13へ堕とされた理由を解明
新劇場版シリーズにおける最大の転換点となったのが、2012年公開の『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の終盤で描かれた劇的なカヲルの独白です。エヴァンゲリオン第13号機に碇シンジと同乗し、荒廃した世界を修復すべくセントラルドグマに鎮座する2本の槍(ロンギヌスの槍とカシウスの槍)を引き抜こうとした瞬間、カヲルは仕組まれた致命的な罠に気づきます。
劇中で彼が放った「まさか、第1の使徒である僕が、第13の使徒へと堕とされるとは……始まりと終わりは同じというわけか」というセリフは、劇場公開当時の観客を底知れぬ混乱と興奮に突き落としました。「渚カヲル 第一の使徒」という基本前提を自ら語りつつ、なぜその序列が突如として最後尾の「第13」へと書き換えられてしまったのか。ここには、碇ゲンドウによる緻密かつ無慈悲なシナリオが存在していました。
「第一の使徒 第十三の使徒 理由」を紐解く鍵は、インパクト発動のトリガー要件にあります。ゼーレやゲンドウが目指す「人類補完計画」を儀式として完遂させるには、使徒をすべて排除し、最後の使徒を生贄として捧げる必要がありました。ゲンドウの狙いは、ゼーレの描いた正規のシナリオを狂わせ、自らの主導権で神殺しを成し遂げることです。そのために、すでに使徒の規定数が満たされかけていた段階で、本来は絶対的な始祖であるはずのカヲルを認識の改変とエヴァ第13号機の覚醒を通じて「人為的に最後の使徒=第13の使徒」へと階位を滑り落とさせた(第十三の使徒 なぜ)のです。
第一の使徒として世界を見守り、シンジの幸福だけを願っていたカヲルは、その純粋な思惑すらもゲンドウの冷徹な盤面上の駒として利用されました。「エヴァ 第一の使徒 考察」において専門家が口を揃えるのは、この場面がエヴァという作品における「絶対的な上位者(神・始祖)が、人間のエゴイズムによって下位の生贄へと引きずり下ろされた瞬間」を象徴しているという点です。