高齢者の大動脈弁狭窄症は「年のせい」?見逃すと危険な初期症状と80代最新治療
大動脈弁狭窄症の根治には、硬くなった弁を人工弁に取り替える外科的処置が必要です。現在、日本国内で選択される主な治療法には、従来から実績のある「開胸による大動脈弁置換術(SAVR)」と、太ももの付け根などからアプローチする「経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI)」の2種類が存在します。
開胸手術は長期的な弁の耐久性に優れ、解剖学的な制約が少ないという強みがある一方、全身麻酔や人工心肺装置の使用、骨の癒合に要する時間など、身体にかかるストレスは決して小さくありません。これに対し、2010年代以降に日本へ導入され進化を重ねてきたTAVIは、カテーテルを用いて折りたたんだ生体弁を心臓内の患部まで運び、バルーンや自己拡張機能で広げて留置します。心臓を止める必要がなく、出血量も極めて少ないため、体力が低下した高齢者にとって圧倒的に安全な選択肢となっています。