国民負担率「五公五民」の真相とは?2026年の手取りと増税のリアル
国民負担率の議論において、多くの人が見落としがちな統計上のトリックがあります。それが「計算時の分母」を巡る問題です。
財務省が公表する国民負担率は、分母に「国民所得(NI)」を用いて算出しています。しかし、国民所得は国内総生産(GDP)から固定資本減耗(設備の減価償却費など)や間接税を差し引いた数値であるため、GDPよりも約2〜3割小さくなります。分母が小さくなれば当然、算出されるパーセンテージは高く跳ね上がります。
OECDをはじめとする国際機関が各国の負担水準を横並びで比較する際は、よりブレの少ない「対GDP比」を用いるのが一般的です。対GDP比で計算した場合、日本の租税・社会保障負担率は約30%台前半となり、OECD平均と同水準かやや下回る位置に収まります。
「財務省が危機感を煽って増税議論を有利に進めるために、あえて数値が高く出る国民所得比を強調しているのではないか」という指摘は経済学者の間でも根強く存在します。ただし、分母の取り方を変えたとしても、将来世代へのツケである財政赤字(潜在的負担)が先進国中最悪レベルにある事実は変わりません。将来の増税や給付削減が約束されている状態であることに変わりはないのです。