『紅の豚』声優陣の現在と知られざる起用秘話!名セリフ誕生の真相

今注目を集めている 『紅の豚』声優陣の現在と知られざる起用秘話!名セリフ誕生の真相について、主要な情報をご紹介しています。

主役を取り巻く脇役たちの配置も見事というほかありません。特に17歳の飛行艇設計技師フィオ・ピッコロを演じた岡村明美氏の起用は、スタジオジブリ作品における「新人発掘の好例」として語り継がれています。

当時、岡村氏は声優養成所を卒業したばかりの新人であり、アニメーション映画のメインキャストとしての実績は皆無に等しい状態でした。しかし、オーディションで彼女の声を聞いた宮崎監督は、無邪気でありながら一本芯の通った職人気質の少女・フィオのイメージそのものだと即決。岡村氏のはつらつとした台詞回しは、年老いた技師ばかりのミラノの工場や、荒くれ者の空賊たちを相手に怯まないフィオの生命力を鮮やかに際立たせました。この現場で叩き込まれた徹底的なリアリズムの演技が、後の『ONE PIECE』ナミ役など長期にわたるトップ声優としてのキャリアの礎となったことは有名です。

また、ポルコの商売敵であり恋敵でもあるアメリカ人飛行艇乗りドナルド・カーチスを演じたのは、今や声優界の重鎮である大塚明夫氏です。大塚氏自身、当時はまだ30代前半の血気盛んな時期であり、カーチスの持つ「野心に満ちた自信過剰さ」と「どこか憎めない陽気なアメリカ人気質」を完璧なテンポ感で演じ切りました。後年のインタビューで大塚氏は、宮崎監督から「アメリカの悪ガキがそのまま大人になったような、カラッとした色気を出してほしい」と指示されたことを振り返っています。

さらに、連合空賊「マンマユート団」のボスを演じた上條恒彦氏の好演も見逃せません。上條氏は圧倒的な歌唱力を持つ歌手であり、舞台俳優としても著名でしたが、アニメ声優としての参加は異例でした。子どもを人質に取りながらも優しく接し、ポルコに撃墜されては悔しがるマンマユート・ボスの人間臭さは、上條氏の温かみのある野太い声によって、単なる悪役に留まらない愛すべきキャラクターへと昇華されました。

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