自転車5キロは何分?実測データで判明した「きつい」本当の理由
通勤時間をエクササイズに変えようと目論む人が抱く最大の幻想が、「毎日の5キロ走破でみるみる体重が落ちる」という期待です。運動生理学の客観的指標であるMETs(メッツ)を用いて冷徹に検証してみましょう。
国立健康・栄養研究所が提示する身体活動基準によると、平地を中程度の速度(時速16〜19km程度)で漕ぐ自転車運動の強度は約5.8METs。体重60kgの成人男性が片道20分(約5キロ)走行した場合の自転車5キロ消費カロリーは、以下の計算式で算出されます。
【計算式】:5.8 METs × 0.33時間(20分) × 60kg × 1.05 = 約120 kcal
往復で10キロ走っても約240kcal。これは一般的なコンビニおにぎり約1.2個分、あるいはカフェラテ1杯分に相当する熱量に過ぎません。過度な5キロ自転車ダイエット効果を期待し、「今日は20分しっかり漕いだから」と帰宅途中にスイーツや大盛りラーメンを口にすれば、即座にカロリーオーバーへ転じます。「自転車通勤を始めたのに逆に太った」と嘆く人の大半は、運動による空腹感の増大をコントロールできていないのが実態です。
ただし、カロリー消費自体は劇的でなくとも、第二の心臓と呼ばれるふくらはぎや太ももの大きな筋肉群を低衝撃で継続運動させることによる、インスリン感受性の改善や下肢のむくみ解消効果は医学的にも高く評価されています。