【京都】法観寺の八坂の塔は登れる?滅多に入れない内部拝観の真相を徹底解説
狭く急な階段を一段ずつ登り、塔の2層目に到達した参拝者を迎えるのは、外側の喧騒から完全に遮断された静寂と濃密な木の香りです。八坂の塔の見どころは、外観の美しさにとどまらず、塔そのものを支える驚異的な建築構造と秘められた仏教美術にあります。
塔の中央を貫くのは、高さ約46メートルの巨体を数百年支え続けている巨大な「心柱(しんばしら)」です。2層目ではこの心柱を間近で観察できるだけでなく、その基礎となる飛鳥時代の「心礎(しんそ)」が地下に埋め込まれている歴史の重みを肌で感じ取ることができます。中心を固定せず揺れを逃がす柔構造は、現代の耐震建築(東京スカイツリーなど)の基礎理論の原型とも言われており、構造美としての見応えも抜群です。
また、塔内初層には大日如来を中心に四方を取り囲む「五智如来坐像」が安置されており、室町時代の金銅仏の荘厳な輝きを今に伝えています。塔の外側には、聖徳太子を祀る「太子堂」や「薬師堂」がひっそりと佇み、かつて広大な寺域を誇った大寺院の面影を静かに語りかけています。