開聞山麓自然公園の現在と閉園の真相|トカラ馬と廃墟化の噂を追う

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この公園を語る上で欠かせないのが、鹿児島県指定の天然記念物トカラ馬の存在です。日本に現存する在来馬8馬種(北海道和種、木曽馬、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬)の一つであり、その体高はおよそ100センチメートルから120センチメートルと小型で、温厚な気性と頑強な脚腰が特徴です。

トカラ列島の中之島からこの地に導入されて以来、この広大な山麓は貴重な血統を守り継ぐ避難所(セーフティーネット)として機能してきました。日本全国を見渡しても、トカラ馬の総頭数は100頭前後に過ぎず、絶滅の危機に瀕している文化財です。放牧地では、母馬の後ろをとことこと付いて歩く仔馬の姿や、開聞岳の稜線を借景にして草を喰む牧歌的な風景に出会えます。

南九州を代表する開聞岳観光スポットの多くは、登山口や麓の花瀬海岸、長崎鼻など海側からの眺望に焦点を当てがちです。しかし、この自然公園から見上げる開聞岳は、山肌が迫り来るような圧倒的な近さと野性味を誇ります。商業主義から切り離された結果として、人工的なフェンスや看板が最小限に抑えられた「南九州の原風景」が奇跡的に残されているのです。

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