瀬戸内寂聴の若い頃とは?波乱の愛憎劇と執筆秘話を徹底解剖
文学を志し本格的に原稿に向き合い始めた彼女だったが、そのデビューと歩みは決して平坦なものではなかった。同人誌での活動を経て頭角を現したものの、1957年に発表した短編小説『花芯』は、当時の評論家や出版業界から激烈なバッシングを受けることになる。
女性の性の本質や身体的欲望をストレートに描写したこの作品に対し、批評家たちは「子宮作家」という蔑称を浴びせ、彼女を作品の発表舞台から締め出そうとした。官能文学の先駆的な表現でありながら、当時の保守的な風潮においては容認しがたい過激さであると判定されたのだ。文壇からの孤立という痛烈な挫折を味わいながらも、彼女はペンを折ることなく、自らの肉声で言葉を紡ぐ執念を燃やし続けた。