幕府の極秘記録が明かすコロリの真実!絶望の江戸を救った蘭医学
コロリの惨禍が猛威を振るう最中、伊東玄朴らの強い働きかけによって1858年に設立されたのがお玉が池種痘所である。本来は天然痘の予防接種(種痘)を行うために設置された民間主導の医療機関だったが、コロリ大流行を契機に、西洋医学の研究と公衆衛生対策の司令塔としての機能を強めていった。
この拠点は後に東京大学医学部へと発展を遂げることとなる。疫病という巨大な絶望に直面したことで、日本は旧来の伝統医学から近代的な公衆衛生・感染症対策へと大きく舵を切ることになったのだ。パンデミックの渦中で蒔かれた一粒の種が、日本の近代医療の礎となった歴史の劇的な転換点である。