なぜ「怖い絵本」はトラウマになるのか?大人の心に残る名作の真実
2010年代以降、日本の絵本界には明確な地殻変動が起きた。岩崎書店が手掛けた「怪談絵本」シリーズの登場である。本格ミステリ・ホラー界の巨匠である綾辻行人氏をはじめ、京極夏彦氏や宮部みゆき氏といった第一線の作家陣が文を担当し、文壇と絵本界が本格的にタッグを組んだ。
ここに確立された現代のホラー児童文学は、かつての「しつけとしての恐怖」とは一線を画す。人間の内面に潜む底知れぬ狂気や、日常が静かに崩壊していく不安感を、最高峰の絵師とともに芸術的領域へ昇華させている。「子供騙し」を一切排除した容赦のない描写は、大人の鑑賞にも耐えうる完成度を誇る。