能登豪雨が裂いた中学生と母親の日常。懸命の捜索現場と家族の苦悩
「どんな姿でもいいから帰ってきてほしい」。ぬかるんだ現場の傍らでたたずむ家族の言葉は、取材陣の胸を締め付けた。失われた平穏な日常を取り戻すことはもうできない。手元に残された泥だらけのアルバムや愛用していた日用品を慈しむように撫でる遺族の姿は、悲劇の深さを無言で物語っていた。
能登半島地震によって地盤が激しく緩んでいた土地へ、追撃をかけるように襲いかかった記録的豪雨。二重の被災という残酷な現実は、人々の精神を限界まで追い詰めた。地震からの復興に向けて歩みを進めようとしていた矢先の出来事であり、被災者が受けた心理的衝撃は計り知れない。