スマホの見すぎで緑内障に?暗闇操作の眼圧リスクと失明を防ぐ予防習慣
ネット上で囁かれる「スマホが緑内障を引き起こす」という言説について、眼科専門医の臨床データや学術知見を紐解くと、直接原因と間接要因の境界線が明確に見えてきます。
緑内障の本質は、目から脳へ視覚情報を伝える視神経が障害され、視野が徐々に欠けていく病気です。その最大の危険因子は「眼圧(眼球の内圧)の上昇」ですが、日本眼科学会の大規模疫学調査(多治見スタディ)によると、国内の緑内障患者の7割以上は眼圧が正常範囲内(10〜21mmHg)に収まる「正常眼圧緑内障」であることが分かっています。
スマホ操作と緑内障の関連性における最大の間接的リスクは、若年層を中心とした「強度近視化」の加速です。画面を30cm未満の至近距離で凝視し続ける生活は眼軸長(眼球の前後の長さ)を伸ばし、視神経乳頭部に構造的な牽引ストレスを与えます。近視が進行して眼軸が伸びた眼球は視神経が菲薄化し、眼圧が正常値であっても神経線維が障害されやすくなるため、結果として若年性緑内障の発症リスクが2〜3倍に跳ね上がることが数々の臨床研究で示されています。