仙台城跡の伊達政宗騎馬像が辿った激動の歴史と完全復活の舞台裏
青葉山に立つ騎馬像の誕生は、昭和10年(1935年)に遡ります。独眼竜・伊達政宗の歴史における大きな節目である「没後300年祭」を記念し、宮城県柴田町出身の気鋭の彫刻家・小室達(こむろ とおる)によって制作されました。
小室達は、政宗公の肖像画や甲冑の構造を徹底的に考証し、単に勇ましいだけでなく、知性と剛胆さを兼ね備えたリアリズム溢れる造形を追求しました。馬の筋肉の躍動感、手綱を握る引き締まった指先、そして鋭い眼光を放つ面構えは、近代日本の具象彫刻としても極めて高い評価を獲得しています。
政宗が築いた仙台城(青葉城)は、徳川家康への警戒から天守閣を持たず、断崖絶壁の天然の要害に本丸を構えた堅城でした。天守が存在しない仙台城跡において、この騎馬像こそが城の魂であり、仙台という都市のアイデンティティそのものとして定着していったのです。