競馬の引退馬はどこへ行く?セカンドキャリアの過酷な現実と支援最前線
競走馬の登録抹消理由は、加齢による競走能力の減退だけでなく、屈腱炎や骨折などの故障発症、未勝利戦でのタイムオーバーなど多岐にわたります。競馬界を去った馬たちの進路は、大きく「繁殖」「乗馬・展示」「使役」「その他」に分かれますが、その比率は極めて偏っています。
日本軽種馬協会等の統計および業界推計によると、重賞勝ち馬や極めて優れた血統を持つ牡馬が種牡馬として供用される確率は全体の1%未満です。牝馬の繁殖牝馬への転身率は牡馬より高いものの、それでも約20〜30%程度にとどまります。血統的な価値や受胎能力が低下すれば、繁殖生活から退く「用途変更」の時期が訪れます。
残る大半の馬たちが目指すのが、乗馬クラブへの引き取りや地方競馬への移籍です。しかし、気性の激しい競走馬を初心者が乗れる乗馬へ再調教(リトレーニング)するには、数カ月以上の期間と数十万円単位の費用がかかります。再調教に適応できない場合や慢性的な脚元の疾患を抱えている場合、乗馬としてのセカンドキャリアを維持することは容易ではありません。