なぜアバクロは消えた?銀座撤退の真相と2026年劇的V字回復の全貌
瀕死の状態にあったブランドを救ったのが、2017年にCEOへ就任したフラン・ホロウィッツ氏の手腕でした。業界関係者の間で「アパレル史に残るターンアラウンド(事業再生)」と称賛されるアバクロンビー&フィッチ復活の理由は、かつての成功体験を完全に捨て去る覚悟にありました。
ホロウィッツ体制下で断行された改革は、徹底的でした。まず、象徴だった筋肉質の「ストアモデル」を全廃。薄暗く爆音が流れていた店舗の内装を、自然光が差し込む明るく開放的なブティック様式へと刷新しました。さらに、服の全面に押し出されていた巨大なロゴ(ヘラジカのマークやブランドネーム)を最小限に抑え、オフィスカジュアルや週末の旅行に自然と馴染む「クリーンで上品な日常着」へとコレクションの軸足を移したのです。
米証券取引委員会(SEC)への開示資料や米メディアの報道によると、同社は2023年から2024年にかけて驚異的な増収増益を記録し、ウォール街のアナリスト予想を幾度も上回りました。かつてアバクロを批判していたミレニアル世代が「働き盛りの大人」となった今、自分の体型やライフスタイルに寄り添ってくれる上質なブランドとして、彼らが再び戻ってきた事実がV字回復を支えています。