古畑任三郎で石黒賢が犯人の神回は何話?医師・中川のトリックと結末
第3話「笑える死体」の最大の魅力は、三谷幸喜氏による緻密なプロットと、犯人・中川が仕掛けた前代未聞の偽装工作にあります。
中川は山荘で笹本を待ち伏せ、スタンガンで気絶させた後に頭部を強打して殺害します。その際、中川が凶器として選択したのが「ストッキングに詰めた大量のパチンコ玉」でした。鈍器としての破壊力を持ちながら、犯行後に結び目を解いてパチンコ玉を散乱・廃棄してしまえば、警察は凶器を特定できないという極めて計算高い手口です。
さらに異様なのが、サブタイトルの由来となった「死体の顔への落書き」でした。中川は殺害後、笹本の顔に油性マジックで眼鏡やヒゲを描き加えたのです。この奇行には2つの周到な狙いがありました。
第1に、仲間内の悪ふざけに見せかけ、被害者が泥酔して寝ている間にいたずらされたと偽装すること。第2に、遺体発見を遅らせることで死亡推定時刻を狂わせ、自身のアリバイを完璧にすることです。
しかし、この完璧に見えた計画こそが、古畑任三郎(田村正和)に最大の違和感を抱かせる引き金となりました。現場に到着した誰もが遺体の滑稽な顔を見て思わず吹き出す中、犯人である中川だけは一切笑わなかったのです。古畑は「死んでいると知っている者だけが、落書きを見て笑うことができない」という人間心理の盲点を突き、中川をじわじわと追い詰めていきました。