サザン『イエローマン〜星の王子様〜』はなぜ封印?黒歴史の真相を徹底解説

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サザンオールスターズのパブリックイメージといえば、夏を彩る爽快なポップロックか、胸を締め付ける哀愁のバラードという二大巨頭に集約されます。しかし、その王道路線をあざ笑うかのように投下されたのが『イエローマン〜星の王子様〜』でした。そもそも、なぜこのようなアヴァンギャルド極まるナンバーがシングル表題曲として世に放たれたのでしょうか。

その最大の動機は、1999年春に開催されたスタジアム・ドームツアー「Sephi[sa:fí:](セフィ)」の演出プランにありました。報道各社のインタビューや当時の音楽誌『ROCKIN'ON JAPAN』等の取材記録によると、フロントマンの桑田佳祐は「スタジアムの広大な空間を一撃で掌握し、オーディエンスをトランス状態へ叩き落とすオープニングナンバー」を強烈に求めていました。当時世界的な潮流となっていたプロディジーやナイン・インチ・ネイルズをはじめとするデジタル・ビート、インダストリアル・ロックの衝動をサザンという巨大な器で再構築しようとした結果、あの重厚で無機質なシンセリフと歪んだベースラインが産み落とされたのです。

タイアップ至上主義が極限に達していた1990年代末のJ-POPシーンにおいて、本作はあえて大型タイアップを持たず、バンドの肉体的な初期衝動と実験精神のみを純粋培養したシングルでした。「売れ線」を完全に度外視し、巨大なライブ空間をカオスに塗り替えることだけを目的にシングルを切るという行為そのものが、20年以上のキャリアを誇っていた当時のサザンオールスターズによる極めてリスキーな賭けであったことは間違いありません。

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