伝統の山中漆器を現代に昇華、我戸幹男商店が解き明かす美の構造
伝統の山中漆器を現代に昇華、我戸幹男商店が解き明かす美の構造を徹底追究! 読者が気になる 重要ポイントを凝縮して配信します。
加賀の豊かな木工文化を支えてきた核心技術、それが挽物轆轤(ひきものろくろ)だ。山中漆器の最大の強みは、木地師と呼ばれる専門の職人が原木の段階から木目に合わせて削り出す「縦木取り」の技法にある。年輪に対して垂直に刃をあてるこの手法は、乾燥による歪みが出にくく、驚くほど薄く強い素地を作り出すことを可能にする。
木肌に触れた瞬間のなめらかさ。指先に届くほのかな温もり。職人たちは手のひらの感覚だけを頼りに、ミクロン単位の精度で木を削り進める。わずかな狂いも許されない緊張感の中で立ち現れる陰影の美しいエッジは、機械の大量生産では絶対に再現できない。自然が創り出した木目という唯一無二の模様を尊重しつつ、完璧なプロダクトへと仕上げる職人のこだわりが、そこには凝縮されている。