山本直樹『世界最後の日々』衝撃の結末とは?日常崩壊の真相を徹底解説!
漫画家・山本直樹という表現者の真髄を凝縮した一冊が、2010年7月8日にイースト・プレス(CUE COMICS)から刊行された『世界最後の日々』です。四六判・並製・380ページという重厚なボリュームで世に出た本作は、著者が10余年にわたって発表してきた膨大な短編群の中から、作家自らの手で極めて重要なピースのみを厳選した自選集3部作の掉尾を飾る作品となっています。
先行して刊行された『明日また電話するよ』、映画化でも大きな話題を呼んだ『夕方のおともだち』に続く完結編として位置づけられており、収録作はいずれも人間の業や寂寥感を鋭くえぐり出しています。
本作のバックボーンを支える客観的書誌データは以下の通りです。
本作の核となる連作短編『世界最後の日々』は、「出発」「コンビニ」「川」といったサブタイトルが冠された章立てで進行します。読者が一般的に連想する「世界最後の日々あらすじ」といえば、隕石衝突や核戦争といったスペクタクルな事件を想像しがちですが、本作で描かれる世界は驚くほど平坦です。
どこか遠くで何かが破綻し、インフラがじわじわと機能を停止していくなか、男と女はあてもなく車を走らせます。立ち寄ったコンビニには品物がまばらにしか残っておらず、店員も無気力にレジに立つだけ。川べりでは何をするでもなく水面を眺め、身体を重ね、退屈を埋めるように言葉を交わす──。何かが決定的に失われていくことへの切迫感と、日常のぬるま湯から抜け出せない人間の滑稽さが、乾いた線画で淡々と綴られていきます。