ジャニーズ当事者の会の現在と解散理由|補償状況とメンバーの今を追う
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ネット空間で根強く散見された「なぜ今さら告発するのか」「補償金が目当てではないのか」という論調には、重大な認識の誤りがあります。性被害の実態と法心理学の知見に基づき、その誤解を是正します。
誤解1:「被害後すぐに声を上げなかったのは不自然」という偏見
未成年者に対する性暴力において、被害者が即座に被害を認識し、外部へ告発することは極めて困難です。これは「グルーミング(手なずけ)」と呼ばれる心理的支配構造によるものです。加害者が圧倒的な権力者(事務所社長)であり、デビューや将来の夢を握っている環境下では、「逆らえば夢が絶たれる」「選ばれた特別な存在なのだ」と自らに言い聞かせ、被害を否認・封印してしまう心理が働きます。数十年を経てようやく自らの被害を客観視できたという経緯は、心理学的に極めて典型的なプロセスです。
誤解2:「巨額の補償金を要求するのは不当」という論点
被害者の一部が高額な損害賠償を請求していることに対し、非難の声が上がることがあります。しかし、民法上の不法行為責任における損害には、将来得られたはずの逸失利益、深刻なPTSD(心的外傷後ストレス障害)による就職・生活上の不利益、長期にわたる医療費などが含まれます。欧米のエンターテインメント業界における性加害訴訟と比較しても、人生を狂わされた被害者が正当な権利として損害賠償を請求することは法治国家における正当な権利行使であり、決して不当な金銭要求と断じることはできません。