一票の格差とは何か?最高裁が違憲と判断した真相と10増10減の影響を完全解説
選挙の投開票が終わると、弁護士グループが全国の高裁に一斉に「選挙無効」を求めて提訴するのが恒例となっています。その根拠となるのが、日本国憲法第14条第1項が保障する「法の下の平等」です。憲法はすべての国民が政治参加において平等に扱われることを求めており、投票価値の著しい不平等は憲法違反にあたるというロジックです。
司法の現場、とりわけ最高裁判所の判例を読み解くうえで極めて重要なのが、「違憲状態」と「違憲」という言葉の使い分けです。
法廷報道で頻出する両者の違いは以下の通りです。
- 違憲状態:格差倍率が憲法の許容限度(衆院2倍未満、参院3倍未満が目安)を超えて不平等な状態にあると認められるものの、国会が格差是正のための法改正を行う「合理的期間」がまだ経過していない、あるいは是正努力の途上であるとして、法律そのものを違憲とまでは断定しない判断。
- 違憲判決:著しい格差が存在し、かつ国会がそれを是正するための合理的期間を怠慢により放置したと認められた場合に下される完全な憲法違反判断。
最高裁が「違憲」と断じた場合でも、直ちに「選挙無効」とされることは極めて稀です。もし選挙が無効になると、選出された国会議員全員が身分を失い、国の立法機関が完全に停止する大混乱に陥るため、過去の行政訴訟における「事情判決の法理」を援用して、選挙自体は有効のまま維持されるケースが通例となっています。