長月は何月?名前の由来に諸説あり!旧暦との違いも徹底解説
長月の語源として最も広く知られているのは、秋分を境に夜の時間が昼よりも長くなっていく現象を表した「夜長月(よながづき)」が略された説です。平安時代の辞書『和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』や拾遺和歌集などの古典文学にも見られる通り、次第に深まりゆく秋の夜の長さは古来より人々の叙情を強く揺さぶり、歌に詠まれてきました。
しかし、日本語の語源研究や民俗学の視点に立つと、長月の由来には「夜の長さ」以外にも説得力のある諸説が存在します。
1. 稲作文化に根ざした「稲刈月」「穂長月」説
日本人の根幹を支えてきた米作りに着目したのが、「稲刈月(いねかりづき)」や「稲熟月(いねあがりづき)」が転じたという説です。実った稲穂の姿を讃える「穂長月(ほながづき)」が短縮されたとも伝えられており、黄金色に波打つ田園風景と豊かな実りへの感謝が込められています。
2. 季節の天候を映した「長雨月」説
秋の長雨(秋霖・しゅうりん)の時期にあたることから、雨が長く降り続く様子を表す「長雨月(ながめづき)」が転訛したという見解もあります。台風の襲来やしとしとと降り続く秋雨の風情は、当時の暮らしにおいて非常に印象的な天候変化でした。
このように、長月という言葉一つをとっても、天体の運行(夜長)、農業の営み(稲穂)、そして気象(長雨)という、自然と共生していた古代の人々の多角的な観察眼が凝縮されています。