Tbs元社長・井上弘の功績と生涯|楽天買収防衛劇と現在への遺産
井上弘氏に対する社内・社外の評判は、まさに「剛胆な策士」でありながら「現場への深い愛着を持った紳士」という二面性で語られます。
取締役会や民放連の会議では、静かな口調でありながら一切の隙を見せない論理で議論を主導し、時に「剛腕」「ワンマン」と評されることもありました。しかし、報道記者やドラマ制作の現場スタッフに対しては常に敬意を払い、報道倫理やコンテンツの質に関しては徹底して現場をかばい、政治的圧力に対しても盾となり続けました。
会見や社内スピーチで語られた数々の言葉は、今もTBS局内で語り継がれています。
「電波は国民の共有財産であり、マネーゲームの道具にしてはならない」
この名言は、買収防衛劇の最中に語られたものであり、ネット資本の攻勢に対してメディアの原点を再確認させる強烈なメッセージとして、当時の放送業界全体を勇気づけました。