知らずに飲むと危険?認知症リスクを高める身近な薬と正しい予防策
日常的に処方される医薬品の中で、特に脳機能への影響が指摘されているのが「抗コリン作用」を持つ薬剤群だ。脳内の神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑制する作用があり、抗コリン薬と呼ばれる。尿失禁治療薬、胃腸薬、抗アレルギー薬など、幅広い診療科で日常的に使われている。
1906年に精神科医のアロイス・アルツハイマーが病理報告を行って以降、アルツハイマー型認知症の研究は目覚ましい進歩を遂げてきた。その過程で、脳内アセチルコリンの減少が認知機能の低下に直結することが判明している。アセチルコリンの働きを強引にブロックする薬剤を長期間使い続ければ、脳の記憶力や思考力に悪影響が及ぶのは生理学的な当然の帰結と言える。
もうひとつ軽視できないのが、不眠症や不安障害の治療に広く用いられてきたベンゾジアゼピン系薬だ。脳の神経活動を沈静化させる優れた効果を持つ一方で、長期間の使用は依存性を生みやすく、高齢者の転倒リスクや認知機能低下を招く要因として世界的な警戒対象となっている。